今や、誰もがWebライターになれる時代になった要因のひとつが「クラウドソーシング」の登場であることに異論はないでしょう。
クラウドソーシングは、クライアントとワーカーをマッチングさせるサービス。
匿名でアカウントを作成できて誰でも登録可能です。
ゼロからWebライターを目指す方なら、どのようなクラウドソーシングサービスがあるのか知っておきましょう。
今回は、Webライターにオススメのクラウドソーシングを紹介するのとあわせて、初心者向けにクラウドソーシングのメリット・デメリットや選び方なども解説します。
クラウドソーシングとは
クラウドソーシングとは、業務を発注したいクライアントと受注ワーカーをプラットフォーム上でマッチングさせるサービスです。
1990年代の終わりごろに米国で発祥し、日本には2000年代半ばに上陸。
在宅ワークやテレワークが注目されはじめると、急速に拡大しました。
なかには会員数が100万人を超えるクラウドソーシングもあり、日々活発に取引がおこなわれています。
業務はクライアントとワーカーの間で完結し、プラットフォームを提供しているクラウドソーシングが契約金額に応じて仲介手数料を得るシステムが一般的です。
クラウドソーシングには、おもに以下の仕事があります。
- 記事執筆
- プログラミング
- Webデザイン
- イラスト・音楽制作
- 動画編集
- アンケート・感想・モニター
- データ入力
小遣い稼ぎ目的の方から副業・フリーランスまで不特定多数の方々が利用しており、ジャンルも多種多様です。
なお、クラウドソーシングの業務形態には、大きく分けて以下3つの形式があります。
タスク形式
簡単な作業やアンケートなど、おもに単純作業の大量発注に利用されている形式です。
クライアントは特定のワーカーに依頼するわけではなく、案件を見つけたワーカーがクラウドソーシングのプラットフォーム上で作業し、内容が承認されると報酬が支払われます。
件数が設定されており、早い者勝ちです。
1件あたりの報酬が数10円~数100円の安い案件が多く、しっかり稼ぎたい方には向いていません。
コンペ形式
ロゴマークやキャッチコピーなど、アイデアや制作物を取引するのに適した形式です。
クライアントの募集内容に対して、ワーカーがアイデアや制作物を提案します。
クライアントが多くの提案の中から比較検討して選びたい場合に適しており、Webライターが利用する機会はほとんどありません。
プロジェクト形式
クライアントの依頼に対してワーカーが提案し、やり取りしながら進める方式です。
アプリ開発ホやームページ作成、記事ライティングなどの案件があります。
Webライターがおもに利用する形式であり、記事をクライアントに納品して検収されたらプロジェクト完了です。
なかには高単価な案件があるものの、作業量によってはプロジェクト完了まで長い期間を要する場合も。
また、納品後に修正を依頼されるケースもあります。
クラウドソーシングのメリット・デメリット
「誰でも手軽に仕事ができる、副業もできる」と急速に広まったクラウドソーシングですが、メリットとデメリットがあります。
それぞれをしっかり把握したうえで、登録するかを検討しましょう。
メリット
案件が豊富
クラウドソーシングには個人から企業まで、多くのクライアントがワーカーを募集しています。
仕事内容も多岐にわたっており、ジャンルも多種多様。
プラットフォームの検索機能も活用しながら、継続して仕事を探せます。
インターネット上で仕事が完結する
クラウドソーシングは、基本的にすべてインターネット上で応募・採用・作業などがおこなわれて完結します。
取材案件でなければ外出する必要はないですし、面談がある場合も今はほぼオンラインです。
匿名で仕事ができる
多くのクラウドソーシングでは、匿名で案件に応募できます。
報酬の振り込みがあるので登録自体には本名が必要ですが、実際の仕事はアカウント名でやり取りが可能です。
副業など、職場の同僚や知人に知られては困る場合にぴったり。
ただし、支払い調書の発行でクライアントから本名・住所を求められるケースはあります。
即金性が高い
クラウドソーシングによるものの、即金性が高いのもメリットです。
月末に報酬が確定してからおよそ2週間後に振り込むケースや、なかには毎週送金するクラウドソーシングもあります。
応募せずとも仕事を得られることも
クラウドソーシングで仕事を続けてある程度の実績ができると、クライアントのほうから依頼されるケースがあります。
すべてが良質な案件ではないものの、自分で案件に応募し続けなくても十分に仕事を得られる可能性があるのです。
デメリット
インターネット環境がなければ仕事ができない
クラウドソーシングに登録されている案件をチェックするには、当然ながらインターネット環境が必要です。
自宅にインターネット環境がなければ、案件探しはもちろん仕事もできないでしょう。
ただし、Wi-Fiがあるカフェなどで仕事するのであれば、問題ありません。
また、案件のチェックやちょっとしたタスクならスマホでも作業可能です。
確定申告する必要がある
クラウドソーシングで得た1年間の所得が20万円を超えると、確定申告しなければなりません。
副業はもちろん、給与所得があれば合算にして所得税を計算し直す必要があるのです。
しかしながら、確定申告はインターネットで簡単に書類を作成できますし、インターネット上ですべて完結する「e-Tax」も利用できます。
案外想像しているよりも難しくないので、もはやデメリットとはいえないかもしれません。
なお、経費の計上や所得の計算については、インターネット上で使える「クラウド会計サービス」を利用すれば簡単です。
クラウドソーシングに向いているWebライター
クラウドソーシングは多くのメリットがある仕事形態ですが、人によって向き不向きがあります。
自分がクラウドソーシングに向いているのか、チェックしておきましょう。
自分で仕事を選びたい方
クラウドソーシングでは、自分に合った仕事を検索して選択、または応募できます。
得意ではないジャンルや内容の仕事を、無理にやる必要はないのです。
一般的な社員やアルバイトでは仕事を選べませんし、与えられた仕事を嫌々やり続けなければならない場合もあります。
クラウドソーシングなら、自分が得意で詳しいジャンル、仕事だけに集中できるわけです。
自分のペースで仕事したい方
クラウドソーシングでは、仕事のやり取りをプラットフォーム上のメッセージでおこないます。
本業があって日中に返信できなくても、帰宅してから対応すればよいのです。
もちろん、作業もできる時間にやれば問題なし。
副業なら、休日に集中して仕事することも可能です。
人間関係構築が苦手な方
クラウドソーシングでは、基本的に対面でやり取りしません。
人と話すのが苦手な方や、一般的なサラリーマンのような人間関係にわずらわしさを感じる方でも、安心して仕事に取り組めるでしょう。
なかには、Zoomなどオンラインでのやり取りを求めるクライアントもいますが、通常クラウドソーシングでは契約前に外部でやり取りするのを禁止しています。
応募した際にオンライン面談を求められて応じたくなければ、断ればよいのです。
副業をはじめたい方
クラウドソーシングは匿名や好きな時間で仕事ができるなど、副業をはじめたい方にぴったりなサービスです。
仕事の量を調節すれば、本業に支障が出ないようにもコントロールできます。
フリーランスになりたい方
本業に不満があってフリーランスになりたいなら、クラウドソーシングはきっかけ作りにぴったりです。
「会社を辞めてWebライターになりたい」といっても、実績や経験がないままフリーランスになるのは危険。
クラウドソーシングでは副業・本業問わず登録できるので、フリーランス転身を検討している方が準備はじめるのに適しています。
クラウドソーシングに向いていないWebライター
以下に当てはまる場合は、クラウドソーシングに向いていない可能性があります。
自分を客観的に見て、クラウドソーシングに登録すべきか判断しましょう。
インターネットで検索するのが苦手
クラウドソーシングにかかわらず、Webライターはインターネットでリサーチする機会が多くあります。
そもそもパソコンが苦手、インターネット検索が面倒という方は向いていないかもしれません。
安定して稼ぎたい方
クラウドソーシングでは長期の継続案件がある一方、単発で終わってしまう仕事も少なくありません。
月によって稼ぎが異なるのが珍しくなく、はじめから安定的に稼ぎたい方には不向きです。
とはいえ経験を積めば、収入をある程度コントロールできる可能性はあります。
自己管理が苦手な方
クラウドソーシングでの案件はもちろん、Webライターの仕事には納期を設定されるのが一般的です。
就業時間に合わせて仕事をこなす社員やアルバイトと異なり、自分でスケジュールを管理して仕事を進める必要があります。
自己管理が苦手ならクラウドソーシングではなく、時給で働く形態もあるのでチェックしてみてください。
副業を会社に知られたくない方
副業の事実を会社に知られたくないなら、クラウドソーシングはもちろん本業以外の仕事はやらないほうが賢明です。
副業で一定の所得を得たら確定申告する必要があり、副業分の住民税納入書が会社に送られます。
なかには「住民税を自分で納付すれば大丈夫」という解説がありますが、絶対ではありません。
副業を会社に知られたくないなら、十分に注意してください。
Webライター向けクラウドソーシングの選び方
今では、多くのクラウドソーシングサービスが存在します。
どのような点をチェックすればよいのか、選び方を押さえておきましょう。
仮払いシステムがあるか
クラウドソーシングの仮払いとは、ワーカーへの報酬をあらかじめクラウドソーシング側がクライアントから一時預かりするシステムです。
クライアントが納品物だけを得て報酬を支払わない「未払い」を防ぐシステムで、万一未払いが発生してもワーカーに落ち度がなければ報酬が支払われます。
Webライターがクラウドソーシングを利用する最大のメリットであり、選ぶ際は仮払いシステムの有無を確認しておきましょう。
プラットフォームが使いやすいか
クラウドソーシングによって、プラットフォームの使い勝手はさまざまです。
自分にとって使いやすいプラットフォームなら、ストレスなく利用できるでしょう。
クラウドソーシングへの登録は基本無料なので、まずは登録して使ってみるのがオススメです。
とはいえ、数が多すぎると管理が大変ですし、それぞれのサービスで実績が増えにくいデメリットもあるので、3つ程度に絞ってチェックしてみましょう。
記事執筆案件があるか
クラウドソーシングとひとくちにいっても、すべてにWebライター向けの仕事があるわけではありません。
なかには、エンジニア専用のクラウドソーシングもあるので注意が必要です。
Webライターにおすすめのクラウドソーシング
クラウドソーシングについて理解を深めたところで、Webライターにオススメのクラウドソーシングを見ていきましょう。
なお、本来のクラウドソーシングとは異なり、Web・記事制作会社の運営でクライアントと直接やり取りしないサービスも含まれています。
広義でクラウドソーシングとされているケースが多いため紹介している点、ご了承ください。
クラウドワークス
日本最大級のクラウドソーシングです。
Webライターの案件も豊富にあり、事前仮払いシステムで安心して仕事ができます。
プラットフォームも使い勝手がよく、案件探しもスムーズ。
採用確率を高める「プロクラウドワーカー」「TOPクラス名鑑」認定制度があります。
オンラインコミュニティ型の学びの場「みんなのカレッジ」では、ライティングやデザイン・動画編集など複数のスキルアッププログラムを提供。
ライティング技術をアピールできる「WEBライター検定」も実施しています。
やや安い案件が多いとされているものの、初心者Webライターに人気のクラウドソーシングです。
- 会員登録数100万人超
- クラウドワーカー71万人
- 仕事の種類は246種類
- 上場企業をはじめ10万社が仕事を依頼
- 「事前仮払い」の安心報酬システム
- プロ認定制度あり
- WEBライター検定を実施
\わずか約30秒でで会員登録完了/
ランサーズ
クラウドソーシングと並び、日本最大級のクラウドソーシングです。
Webライター向け案件も豊富にあります。
スキルや経験に希望の価格をつけて、商品パッケージとして出品し販売できる機能「パッケージ」も人気です。
その年にめざましい活躍をしたランサーを表彰するイベント「Lancer of the Year」は、毎年注目の的になっています。
- 常時210万以上の募集要項
- 350種類以上の仕事カテゴリ
- ランク制度で採用確率アップ
- 活動状況を分析できる「アナリティクス機能」
- 仮払い機能あり
- 無料で使える豊富な機能を提供
\日本最大級のクラウドソーシング/
クラウディア
比較的新しいクラウドソーシングサービスです。
毎月1,000人を超えるワーカーが登録しているとし、急速に規模が拡大しています。
ワーカーが負担するシステム手数料は売上に応じて3~15%と、やや安いのが特徴。
サイト制作やイラスト作成、業務サポートなど自分の得意を出品できる「スキル販売機能」をリリースしています。
- 会員数 100 万人
- 毎月1,000人を超えるワーカーが登録
- ワーカーシステム手数料が3~15%
- ウェブ制作やデザインの案件が豊富
\システム手数料が3~15%/
ココナラ
知識・スキル・経験を売り買いできる、フリーマーケット的なプラットフォームを提供しているサービスです。
ワーカーからアプローチするクラウドソーシングとは異なり、スキルを出品しているワーカーに依頼者が相談・発注するのがおもな形式になっています。
明確に金額を提示できるほか、オプションの設定も可能。
ただし、サービス提供ページを自身で作り込む必要があるほか、販売手数料が一律22%とやや高めです。
- 200種類以上の知識・スキルを売り買いできる
- 匿名で受注・発注可能
- プロ認定制度あり
Bizseek(ビズシーク)
50種類以上の仕事に対応しているクラウドソーシングサービスです。
仮払い・成果報酬制度を採用しています。
令和4年1月設立の新しいクラウドソーシングで、ライティング案件はまだ少なめ。
今後増える可能性もあるので、登録しておくとよいでしょう。
- 仮払い制度で報酬を保証
- 匿名で仕事できる
- Bizseekからの公式案件もあり
サグーワークス
コンテンツマーケティング事業を展開している「株式会社ウィルゲート」が運営しています。
一般的なクラウドソーシングとは異なりクライアントとの直接のやり取りはなく、同社のスタッフがすべて対応するのが特徴です。
ライターのランク制度があり「プラチナ」ライターになると、専属案件を受注できます。
ただし、サグーワークス独自のテストに合格しなければなりません。
- 発注企業3,800 社
- ライター数約290,000人
- ライターのランク制度あり
- クライアントとのやり取りなし
\1分で会員登録完了/
shinobiライティング
ライティングに特化したクラウドソーシングサイトです。
ジャンルには、不動産・住宅関連・生活/暮らし・ビジネス/オフィス・IT・通信関連・自動車関連があります。
ただし、2022年10月時点では文字数の少ない案件が多く、小遣い稼ぎ程度の仕事を求めている方向けです。
- ライティング特化のクラウドソーシングサイト
- 小遣い稼ぎにぴったり
mama works(ママワークス)
主婦向けのクラウドソーシングサイトです。
ライター・デザイナー・データ入力・動画編集など、在宅ワークで人気の職種から自分にぴったりな仕事を探せます。
なかでも記事ライティング案件が多く、記事単位や文字単価にくわえて時給制からも応募可能です。
登録すれば。オンライン講座やお子さま向け教育コンテンツも無料で利用できます。
- 主婦向けのクラウドソーシングサイト
- ライティング案件が豊富
- オンライン講座を無料で利用可能
shufti(シュフティ)
「主婦の働く」をサポートするクラウドソーシングです。
未経験者のサポート体制が充実しており、プロジェクト方式の案件も多く掲載されています。
ただし、2022年10月時点で文字数の多い記事執筆案件が少なく、しっかり稼ぎたいWebライターには向いていません。
- 主婦の在宅ワーカーが多数在籍
- 未経験者のサポート体制が充実
クラウドソーシングで採用されるWebライターになるには
クラウドソーシングでは、応募した案件で採用されなければ作業できないですし、もちろん報酬も得られません。
どうしたら採用確率を高められるのか、知っておきましょう。
報・連・相を徹底する
クラウドソーシングで安定して仕事を獲得するためには、まず第一にクライアントからの信頼を得なければなりません。
たとえば、以下のような対応では到底信頼を得られないでしょう。
- 返信が遅すぎる
- なかなか連絡が取れない
- 相談せずに進めてしまう
とくに、返信が遅いワーカーは重要事項が伝わっているかを確認できず、仕事が滞ってしまいます。
すみやかな報告・連続・相談を徹底し、安心して仕事を任せられるWebライターを目指しましょう。
納期は必ず守る
指定された納期を守るのは、仕事を受けたワーカーの絶対的な義務です。
責任をもって作業し、納期は必ず守りましょう。
どうしてもやむを得ない事情があっても、クライアントからすれば何をいわれても言い訳にしか聞こえません。
多くのクラウドソーシングには評価システムがあり、低評価されると今後の案件獲得にも悪影響を及ぼします。
イレギュラーな事態に備えるべく、なるべく早めに記事を仕上げるように心がけるのがオススメです。
プロフィールを充実させる
クラウドソーシングのプラットフォームには、自分をアピールできるプロフィール欄を設けています。
クライアントが依頼するかを判断する材料になるため、しっかり書いておきましょう。
Webライター初心者でアピールポイントが少なくても、仕事の経歴や趣味なども参考材料になります。
知見の深い得意ジャンルがあれば、その道の専門ライターとしてアピールしてもよいでしょう。
提案文をしっかり作る
プロフィールとは別に、個別の案件ごとに提案文を作成しなければなりません。
採用されたらどのような記事を書けるのか、役に立てるのかを伝えましょう。
また、その仕事をやりたい熱意をしっかり伝えるのも大切です。
反対に、あっさりしすぎる提案や的外れなアピールは、逆効果になるので注意が必要です。
まとめ:自分に合ったクラウドソーシングを選ぼう
クラウドソーシングは、しっかり稼ぎたいWebライター向けの案件が充実しているサービスから、小遣い稼ぎに向いているサービスまでさまざまです。
どのような案件があるのかはもちろん、仕事の多いジャンルや案件の豊富さなどを考慮して自分にぴったりなクラウドソーシングを選びましょう。