Webライターのなかには、クラウドソーシングを活用して外注する方がいるかと思います。
わたしもその一人。
サイトをいくつか運営しているので、年々外注を利用する機会が増えています。
先日、ワーカーとクライアントの両方で利用しているクラウドワークスで、スパム行為のようなワーカーからの応募がありました。
今回は、そのときのお話をするとともに、クラウドワークスでなぜ本人確認未提出ワーカーを避けるべきなのかを解説します。
クラウドワークスで本人確認未提出ワーカーから応募が
先日、運営しているサイト用の記事作成でワーカーを募集したら、想定した以上に応募がありました。
一瞬喜んだものの、あることに気づきます。
「ポートフォリオが似ているな……」
応募してきたワーカーのうち、たまたま開いた1人のファイルが「カーシェアのメリット」。
同じ時間帯に送ってきた違うもう1人のファイルが「カーシェアのデメリット」。
どちらもGoogleドキュメントで、タグの書き方や文章も似ている……。
そこで思ったのが、「もしかすると、この2人は同一人物なのではないか?」です。
実績が同じだった
よくよく2人のプロフィールを見比べると、実績がまったく同じでした。
どちらも2件の実績があり、案件も同じです。
この2件の実績が掲載されている点が共通していました。
偶然なのか?とも思ったのですが、やがて疑念は確信に代わります。
14人の実績がまったく同じ
その日、午後9時30から午後10時までの30分間で、14件の応募がありました。
まだまだ高単価の案件を出せない身分ですので、これだけの応募があるのは珍しいです。
2人のワーカーの応募内容とプロフィールがあまりに似ていたので、不安を感じた私は次々と他12人のメッセージを開いていきます。
結果は……すべて同一人物なのではないか?と思うほど酷似していました。
やはり全員、実績として載っている案件は同じです。
プロフィール文こそ違うものの、文量や雰囲気もだいたい同じ。
14人のワーカーがいれば、プロフィールもそれぞれもっと個性があっていいはず。
2分ほどの間隔をあけて同じ時間帯に一斉に送ってくるのも、偶然にしてはあまりに不自然です。
わたしのなかでは、完全に結論が出ました。
「すべて同一人物、または団体が一斉に送ってきているに違いない」、と。
すべて本人未確認未提出アカウントだった
ここまでで、複数アカウントを使っているワーカーに間違いない確信を得たわけですが、もうひとつ共通点を見つけました。
怪しいワーカー全員の本人確認が未提出だったのです。
あちらにしてみれば、本人確認は当然ながら1人しかできないわけですから、無理はありませんね。
ログインせずに送ってくるアカウントも
たった今応募してきたのにもかかわらず、なぜか最終アクセス日が数日前のアカウントが多かったのも謎でした。
クラウドワークスの規約では、ログインせず案件に応募する行為を禁じています。
どうしてログインせずに応募できるのかは理解できませんが、どう考えても怪しいワーカーです。
なぜそんなことをするのか?
どうして、こんな手の込んだことをするのでしょうか?
考えられるのは以下の2点です。
- 個人が採用率を高めるために複数アカウントを使い分けている
- 仕事を大量に確保してライターに振り分け、利ざやを得ている
おそらく、わたしにだけでなく、他のクライアントにもメッセージを送っていると思われます。
そう考えると、個人ですべて対応できるのか?
難しいのではないでしょうか。
想像の域を脱しませんが、仕事を大量に確保して利ざやを得ている可能性が高いと感じています。
こんなことを書くと「その手があったか!」と、真似する悪い方がいるかもですがダメですよ。
クラウドワークスの規約違反です。
ちなみに、「もういい加減にしてください。通報しますよ」とメッセージしたところ、怪しいワーカーからの応募メッセージはピタッと止まりました。
クラウドワークスに本人確認未提出ワーカーの存在を確認したが……
一応、今回の件はクラウドワークスに報告しておきました。
当該アカウントを調査するとありましたが、結果については報告しない、とも。
また、「本人確認未提出ワーカーをブロックしたいなら、オプションを活用ください」とも記載してありました。
クラウドワークスで募集する際、本人確認未提出ワーカーをブロックできるオプションを設定できます。
しかしながら、1回の募集で6,600円もの費用が必要なのです。
募集するたびにかかります。
そんな費用を出す余裕はとてもないので、今後も1件1件しっかりとチェックするしかないですね。
本人確認未提出のライターは採用率が下がる
わたしの場合、募集文にはそもそも「本人確認未提出NG」と記載しています。
今回の件は、同一人物なのか、企業レベルでこのような行為をしているのかはわかりません。
いずれにせよ、どれだけ送ってきても、わたしにはさらさら採用するつもりは元々ないわけです。
では、なぜ本人確認未提出ワーカーはNGなのか?
以下の通り、明確な理由があります。
- トラブルになっても責任を問えない(どうせ逃げられる)
- いつでも捨てられるアカウントなので、途中で放棄される恐れがある
- 著作権譲渡契約書を交わしても意味がない
- なぜ本人確認を拒否するのか、そもそも信用できない
悪質なワーカーであってもなくても、本人確認未提出ワーカーならどれも同じです。
Twitterを拝見すると、「なかなか採用されない」といった初心者ライターのツイートを見る機会があります。
もしかすると、それは本人確認未提出だからかもしれません。
もしクラウドワークスで本人確認を実施していないのであれば、自ら採用される確率を下げている可能性がある点に留意しておきましょう。
こんな応募には注意しよう
では、今回の件で教訓として得た、注意すべき応募の特徴をまとめます。
- 短時間で一斉にメッセージを送ってくる
- 実績の案件が同じ
- ポートフォリオが似ている
- 本人確認未提出のアカウント
- ログインしていない可能性がある
Webライターとして案件を探していると、悪質なクライアントに悩まされるときがあります。
それがまさか、クライアントとしてワーカーを探す際も注意しなければならないとは。
とても残念な気分です。
なかには、「複数のアカウントを使い分けているワーカーでも、きっちり仕事してくれるなら問題なし」という方もいるかもしれません。
たしかにそうですが、クラウドワークスではそもそも複数のアカウントを作成するのを禁止していますし、そのような輩はとても信用できません。
「複数アカウントを使い分けているワーカー=本人確認未提出ワーカー」であり、仮にトラブルになった際に逃げられてしまう可能性大です。
どうしても本人確認未提出ワーカーに仕事を依頼せざるを得ないなら、十分にリスクを考慮しておきましょう。